日本人ユーザーからの漏洩パスワード、頻出は「123456」 「password」「qwerty」等

セキュリティニュース
ここで紹介するニュースは、ほとんどの場合下記の方法で対策できます。
〇 OS、アプリケーション、アンチウイルスのデータベース等を常に最新の状態に保つ
〇 UTM導入等によるネットワーク全体の防御を行う

日本人ユーザーからの漏洩パスワード、頻出は「123456」「password」「qwerty」等

10月30日(現地時間)、ソリトンシステムズ社より、「日本人のパスワードランキング2024最新版」が発表されました。

2024年1月~8月に発生した国内外276件の情報漏洩事案において日本人ユーザー(メールアドレスが.jpドメインのもの)が設定していたとみられるパスワードを分析した結果を示しています。

最も頻繁に使用されていたパスワードは「123456」で、以下5位まで「password」「123123」「qwerty」「111111」となっています。

AUSからの所感 AUSからの所感

他のパスワード管理ツールの開発元やセキュリティ企業・機関からも発表されているランキングも含め、上位に入るパスワードに長年共通する傾向は数字の羅列」「password・iloveyou等簡単な単語やフレーズ(および数字を足しただけのもの)」「キーボード上で並んでいる文字列」等となっています。

また、NordPassによるランキングでは「ユーザー本人の名前」「趣味に関連した単語(アイドル・サッカーチーム等)」が多く用いられるという分析結果も出ています。

ランキングに載っている、あるいは上記のパターンに合致するようなパスワードは、攻撃者がアカウント奪取のため真っ先に試す可能性が高いことから、Webやそれ以外のサービスで実際に使っていないか確認し、より推測されにくく比較的長い(例えばNordPassでは20文字を推奨しています)パスワードを各サービス毎に使い回すことなく設定し、所有する全てのアカウントの保護に努めることが肝要です。


マイニングマルウェアによる負荷でサービス停止…脆弱性を突かれた可能性も

10月29日(日本時間)、デリバリーサービス「出前館」より、システムがマルウェアに感染し、同26日以降サービスを一時停止していたと発表されました。

発表では、感染したのは暗号資産(仮想通貨)のマイニングを行うマルウェア「RedTail」とされ、これによりサーバーに高負荷が発生したことが原因としています。

10月25日に一部のサーバーで高負荷が確認されたことから一旦サービスを停止、当該サーバーをネットワークから切り離して再開したものの、翌26日に別のサーバーで同様の事象が発生したため、再度サービスを停止した際にマルウェアの感染を確認したとしており、安全性の確認の上で同29日から再開しています。

AUSからの所感 AUSからの所感

現時点で情報漏洩はないとはいえ、高負荷の発生により、サービスの停止に至ったということで、「可用性」の毀損という意味でのセキュリティインシデントとなります。

RedTailは、ApachePHPあるいはメーカー製アプライアンス等の複数の脆弱性を悪用してサーバーに感染するとされ、うちPHPの脆弱性「CVE-2024-4577」(Windows版のみ影響)については7月にこれを狙う攻撃に関する注意喚起がIPAから出されていました(https://www.ipa.go.jp/security/security-alert/2024/alert_20240705.html)

今回の件で特定の脆弱性が原因となったという発表はされていませんが、複数台のサーバー構成のうち、1台でも未対策の脆弱性を突かれマルウェアに侵入されれば、他のサーバーにも瞬く間に感染を広げる恐れがあるため、全てのサーバーについてOSから各種ソフトウェアまで随時最新バージョンに保ち、またサーバー間での横展開による侵入等を防ぐようなネットワーク構成とすることが重要です。


Chromeブラウザーに脆弱性…アップデートは毎週水曜日に確認を

11月6日(日本時間)、Google Chromeブラウザーのセキュリティアップデート(v130.0.6723.116/.117)がリリースされました。

2件の深刻な脆弱性が修正されており、悪用の報告はないものの、メモリ破壊・悪意あるコードの実行等に繋がる恐れがあるとされています。

Chromeブラウザーは自動更新に対応しており、また「ヘルプ」→「Google Chromeについて」(あるいは chrome://settings/help )でバージョン情報が確認できるとともに、手動でアップデートが可能です(更新の完了にはブラウザーの再起動が必要です)。

AUSからの所感 AUSからの所感

Chromeブラウザーでは7月以降、毎週水曜日(日本時間)にセキュリティアップデートのリリースが続いています。

ブラウザーを開いたまま、かつ「Google Chromeについて」をしばらく開いていない場合、更新・再起動を促すメッセージが表示されますが、アップデートのリリースから数日タイムラグを置いて表示されることがあり、その間に脆弱性悪用される可能性も考えられることから、できる限り毎日バージョンを確認し、最新バージョンに保つよう心掛けるべきでしょう(日々ブラウザーを完全に終了させる使い方であれば最新バージョンとなっていると思われますが、安全のため確認するに越したことはありません)。

またブラウザーのバージョンが古く更新されるまでの間に攻撃を受けることを避けられるよう、アンチウイルス・UTM等による防御も確実に行いましょう。