問い合わせフォームが設置できるWebアプリケーションに脆弱性…

セキュリティニュース
ここで紹介するニュースは、ほとんどの場合下記の方法で対策できます。
〇 OS、アプリケーション、アンチウイルスのデータベース等を常に最新の状態に保つ
〇 UTM導入等によるネットワーク全体の防御を行う

問い合わせフォームが設置できるWebアプリケーションに脆弱性…個人情報漏洩の恐れ

– 4月14日(日本時間)、ソフトウェア開発等の業務を行っているジューベー社より、同社が配布しているWebアプリケーション「JB問い合わせフォーム」に脆弱性が存在すると発表され、最新バージョン0.7.0がリリースされています。

– 脆弱性は同ソフトウェアのバージョン0.40~0.6.1に存在し、悪用により、保存された問い合わせ内容が外部から閲覧可能とされ、個人情報漏洩に繋がり得るものとなっていました。

– 同社では速やかにバージョン0.7.0へのアップデートを行うこと、もしくは回避策として、プログラムファイルや、問い合わせ内容が保存されるデータファイルの削除を呼び掛けています。

AUSからの所感 AUSからの所感

2000年前後において、外部から直接アクセス可能なドキュメント領域下に個人情報を含むCSVファイル等が保存されているのが多数のWebサイトで発見され、アングラ系の掲示板等で相次いで暴露される事例がありました。

JB問い合わせフォームも、設置したディレクトリ下に作成されるデータ用ディレクトリ内のファイルに問い合わせ内容を保存する仕組みをとっていましたが、当該ディレクトリに直接アクセスできないためのApache用設定ファイルが同梱されており、アプリケーションに対する不正なリクエストで脆弱性を悪用することによるデータファイルへの不正アクセスが可能だったと推測されます。

Webサーバーにファイルをアップロードする形でインストールされたアプリケーションについては、概ね自動更新やその通知機能がないと考えられるため、最新バージョンのリリース時には早急にアップデート対応ができるよう把握・管理しておくこと、またインストール時のファイルのパーミッション設定については、単にWebサーバーから書き込み可能かだけでなく、不必要な読み書き設定がないか等にも十分に注意を払ってください。


ゴールデンウィークにおけるセキュリティ面の注意喚起、IPA・経産省等から発表

– 4月20日(日本時間)、IPAより、「ゴールデンウイークにおける情報セキュリティに関する注意喚起」が発表されました。

– GW等長期休暇の時期、企業・組織によっては、「システム管理者が長期間不在になる」「友人や家族と旅行に出かける」等、いつもとは違う状況になり、ウイルス感染・不正アクセス等の被害発生時の対処が遅れる、あるいはSNSへの書き込み内容から思わぬ被害が発生する等の可能性があることを鑑み、「企業や組織の管理者」「企業や組織の利用者」「個人の利用者」それぞれを対象に、「休暇前」「休暇中」「休暇明け」に行うべき基本的な対策と心得が「長期休暇における情報セキュリティ対策」においてまとめられています。

– 同24日には、経済産業省・総務省・警察庁および内閣官房内閣サイバーセキュリティセンター(NISC)からも、「春の大型連休において実施いただきたい対策について」の注意喚起が連名で出されています。

AUSからの所感 AUSからの所感

それぞれの発表は2022~2023年の年末年始の時などと大きく異なるようなものではなく、経産省等の発表では管理者に向けて、休暇前の「対処手順・連絡体制」「バックアップ」について特に注意するよう呼び掛けています。

IPAではランサムウェアによるサイバー攻撃に関する相談、特にリモートデスクトップサービス(RDP)やVPN装置への侵入の事例が多く寄せられているとしています。

GWまでに日にちがなく十分な対応が間に合わなかったとしても、GW明け以降に点検すべきことは多く存在しますし、以後も夏季休暇等に備えて対応しておくべき事柄も変わらず、また長期休暇に関係なく常時から注意すべき普遍的なものも「日常的に実施すべき情報セキュリティ対策(https://www.ipa.go.jp/security/anshin/measures/everyday.html )」として別途まとまっており、それぞれにおいて準備・点検を行うよう意識していくことが肝要です。


Chromeに致命的な脆弱性とセキュリティアップデート相次ぐ…112.0.5615.138への更新確認を

– Google社開発のChromeブラウザーにおいて、致命的な脆弱性に対するセキュリティアップデートが相次いでリリースされています。

– 4月14日(現地時間)、ChromeのJavaScriptエンジンにて既に攻撃が確認されていた(いわゆるゼロデイ脆弱性)「CVE-2023-2033」等2件の脆弱性を修正した緊急のセキュリティアップデート112.0.5615.121がリリースされています。

– 同18日には、やはりゼロデイ脆弱性とされる「CVE-2023-2136」含む5件を修正した112.0.5615.138がリリースされています。

AUSからの所感 AUSからの所感

4/25現在、Edgeブラウザーでも109.0.1518.100がリリースされ、Chromeと同じエンジンを使用する他のブラウザーでも同様のセキュリティアップデートがリリースされています。

CVE-2023-2136はLinux・Android・macOSに影響するグラフィックライブラリーの脆弱性で、Windowsには影響しませんが、112.0.5615.138は他にも複数の脆弱性が修正されており、アップデートは必要不可欠です。

Chromeではアップデートの適用後に再起動を促すメッセージが表示されますが、リリースから適用・メッセージの表示までタイムラグが発生する場合があるため、「ヘルプ」→「Google Chromeについて」(もしくはchrome://settings/help )にて、最新バージョンへ確実にアップデートされているか確認する習慣をつけることが肝要です。